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ぼくは勉強ができない

タイトル勝ち


タイトル勝ち



タイトルからも漂ってくる通り、ステージは高校の青春小説。
はじめて読んだのは…多分私も高校生の頃です。

“何度も読み返す作品”この絶対条件は、読む度に色が変わるということ。
その時の年齢や環境、もちろん体調の良し悪し、空気の冷たさや匂い。
そして魅力的な登場人物がひとりでも出て来たなら、骨抜きにされてしまいます。

ぼくは勉強ができない と、語る主人公は時田秀美。奔放な母と未だ恋多き老人の祖父と暮らしている。
秀美語るところの“素晴らしき淫売とくそじじい”w
年上の彼女との情事を楽しみに、窮屈な学生生活を過ごしています。

秀美の捻くれた台詞に心ときめいて読んでいた頃や、斜に構えた秀美の言動を微笑ましく時に薄ら笑いを浮かべて読んでみたりする今。


好き嫌いがきっとはっきりわかれる、【山田詠美】の作品たち。
セクシーも、ひとつの才能だと痛感させられます。
LOVE♥エイミー!!!


#Delight Slight Lightspeed
# by pageos | 2010-11-01 23:37 | book

坊っちゃん

なもし!!!!


なもし!!!!



言わずと知れた松山の顔、坊っちゃん
坊っちゃんスタジアム
坊っちゃんエクスプレス
坊っちゃん列車 等等。

文豪!【夏目漱石】の代表作です。
松山人、それでいいの?と心配になる程坊っちゃん、松山をこき下ろしています(笑)
田舎だ田舎ものだと、つまらん所だと。最終的には“不浄の地”とまで言っている。
それでも坊っちゃんを愛してる松山のひとたち。(多分)
その理由とは…


江戸っ子の坊っちゃんは四国で数学の教師はどうかとの誘いに即行。
↑これは親譲りの無鉄砲ゆえにである。
赴任先の松山で、生徒からおおいにからかわれたり、同僚の恋愛事情に顔を突っ込んで騒ぎを大きくしたり。
もう、現実で付き合うならちょっと面倒くさいタイプ…
熱く、正義を貫く坊っちゃん。山嵐という同僚と友情も芽生えるが別れの日はすぐそこに!


がんばってる人って時に滑稽。そんなところも愛すべきところなんだろう。

そして、坊っちゃんと東京で暮らしたお手伝いの婆、“清”との関係にほっこり。
悪態ついたって、松山についてすぐに清の夢を見ちゃっている。
東京に戻って、一番に清に会いに行くんだもんなー。



作品自体はとても短く、100年も前に書かれたとは思えないほどテンポ良く読みやすいです。

パンドラと同じく登場人物にあだながついています。

#東京レレレのレ
# by pageos | 2010-10-15 23:58 | book

パンドラの匣◆正義と微笑

いいモットオが出来た。


いいモットオが出来た。



【太宰治】が好き。と言うのを、少し照れる時があります。何でだろう。

もやもやと鬱屈した読後、デカダンな晩年、どうしようもない程の自意識。
人間失格のイメージが強すぎるのか。

私が中学生のとき誰かに与えられたのか、自分で手に取ったのか?初めての太宰作品がこの文庫、
パンドラの匣でした。


結核の療養所である“健康道場”で過ごす主人公が、親友に宛てた手紙を綴った書簡形式の作品です。
患者を塾生、看護士を助手さんと呼び、様々なあだなをつけて呼んでいる。
“ひばり”という、照れ臭くってかなわない。というあだなでも、かわいい助手さんに呼ばれるとそれほど嫌でもない(笑)
他にも皮肉をこめて綴っていたりと本当にユーモラス。

とにかく、明るいのです。けれど明るければ明るい程せつない。療養所という死に近い場所で産まれるリアルな言葉たち。
友に「死はよいものだ。」と書き送った後、ひばりはこう書いている。
“僕たちは命を、羽のように軽いものだと思っている。けれどもそれは命を粗末にしているという意味ではなくて、僕たちは命を羽のように軽いものとして愛しているという事だ。”


昭和20年の秋から連載されて、翌年刊行されたこの作品。
太宰が終戦後、希望として産み落とした様な一作だと思います。


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パンドラと共に収められているのが正義と微笑
私が太宰の作品で何度も読み返すのが2作のうちのひとつ。(もう1作はこれ!!!

選ばれた言葉が、すべて素晴らしいです。単純に、面白くてかなわない!
16歳の春(お茶目なとぼけたお道化が馬鹿らしくなってきた年頃。)に始まる、
青年の日記形式の作品です。

時には兄さんに叱られ、お説教なんて自己陶酔だ!と怒ってみたり
女学生の制服が、野暮臭く薄汚い!と愚痴てみたり
サシスセソがうまく言えない事を指摘されて、自分の舌が長すぎるのでは。と動揺したり…
人の成長がみえるなんて自分が大人になった気分です。

あぁ面白い。是非みんなに読んでもらいたい。

“微笑もて正義を為せ!”
この大好きな言葉を中学の時にノートに書いていた私に、唯一気付いて声をかけてくれた
美術のカミヤ先生。元気かな。


2作共、太宰イズムを残した素敵な青春小説です。是非!


#GENIE
# by pageos | 2010-10-14 20:41 | book

神様のボート

珠玉の1冊


珠玉の1冊



好きな本は何度読んでも楽しいです。
何度も読みたくなる1冊をみつけるのが、また楽しい。
その中で今のところ恋愛小説と呼べるのはこの神様のボートだけです。

【江國香織】
新作が出る度に、必ず読む作家のひとり。はっとして、溜息が出る様な美しい言葉が並びます。
それらが陳腐なドラマ仕立てにならない所が凄い。


骨ごと溶けるような恋をした葉子。
“あのひと”の作った、シシリアンキス(倒れそうに甘くて病みつきになるカクテル)を飲んで、
その時あなた、草子が発生したのと母は娘に伝える。
必ず戻るといって消えた“あのひと”を待ち続ける母娘は引越しを繰り返す。
“あのひと”のいないここは、私たちの居るべき場所ではない。と葉子は言う。

あのひとが残してくれた宝物の草子が段々と成長し、葉子から自立していく姿がとてもいいです。

劇的な話は何もなく、ただただボートに揺られてふわりふわりと静かに漂う様な作品。
但し作者があとがきに寄せている通り、狂気の物語、危険な小説なんだろう。

ある一箇所を除いて、ずっと回想で語られる“あのひと”は、
肌の温度が高く、すばらしくきれいな背骨をしていて、
よりそって眠ってくれるだけで、たちまち幸福の果てに連れて行ってしまう

そんな人です。



出来れば、本を読んでまで泣いたりせつなくなったりしたくないけど、これはやっぱり特別な一冊です。

#Desperado
# by pageos | 2010-10-13 01:06 | book

螢川・泥の河

泥3部作


泥3部作



今日は富山へ行きました。
北アルプスがそびえて、富山湾へ注がれる神通川が市内を縦に通っているまち。
(神通川の川上には私の住んでるまちがあって、余所の感覚があまりない)

この神通川の分流?いたち川・松川を舞台にかかれたのが螢川。【宮本輝】の作品です。

少年の、所謂思春期の目線からかかれる世界、
ただでさえ繊細な膜の中に、“戦後”“没落”という子供では抗う事が出来ない現実。
そして神聖なラスト。

成長期に、いのちに触れられる体験をするって何と言うか大きいと、思います。


泥の河は、同じ時代、舞台は大阪。泥の臭いがたちこめる様に情景が浮かびます。
暗くて落ち込むので、読み直す時は心身とも健康な時を選ぼう。



巨匠!のイメージがあるけど(実際そうなんだろうが)これを書き上げたのは弱冠30歳の頃らしい。
螢川は芥川賞受賞。
映画化されているみたいで、重竜役は三國連太郎♥
想像しただけでクラクラしますね。


# by pageos | 2010-10-12 02:20 | book

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